アフリカブルーオーシャン戦略

『新興国(アフリカ)における市場調査のリアルとは?心に留めておくべき3つのこと』

作成者: 原健太|Feb 13, 2023 7:20:58 AM

 

近年、スタートアップや中小企業の進出が増加している新興国。

ここには多くの製品、サービスの需要があり、ビジネスチャンスが広がっています。特にアフリカは人口増加と経済成長から、「地球最後のフロンティア」と言われているほどです。

そんなアフリカに進出しようと検討している方も多いのではないでしょうか?

まず、新興国に進出を考える際に重要なことは、市場調査です。「アフリカのどの国・地域にニーズがあるのか?」「商品のターゲットはどの階級層か?」等をしっかり見極める必要があります。ニーズのないところにサービスを提供してもお客様がいなければ売れません。赤字になるリスクがあります。リサーチを入念に行えば自社の商品に対する反応を予測できるようになり、リスクマネジメントができます。アフリカ進出で大きな売上を獲得するチャンスにつながります。

今回は、新興国に進出を考えている日系企業が行ったインタビューの様子を交えあなたが新興国で心に留めておかなければいけない3つの心得をご紹介します。

目次:

1. 「アフリカンタイム」により時間通りに進まないのが当然
2. 当日まで詳細が確定していない
3. 機材トラブルにより一時インタビューを中断することに
予定通りインタビューを完遂するために気を付けること


 

1. 「アフリカンタイム」により時間通りに進まないのが当然

「アフリカンタイム」という言葉は聞き慣れないかもしれません。アフリカンタイムとは、アフリカのゆったりと流れる時間の感覚を表す言葉です。アフリカの人が集合時間に2、3時間遅れてくるのは日常茶飯事。日本人の時間に対する厳格さとはまるで対照的です。

筆者は、インタビュー会場の病院に9時に着くように準備をしていました。ところが、渋滞によりタクシーの到着が遅れ、乗車後も渋滞によりなかなか進みません。病院に到着したのは9時30分。慌てて「渋滞のため遅れた」ことを病院関係者に伝えると、暗黙の了解のように頷かれ、謝罪は不要でした。ケニアでは渋滞による遅刻は日常茶飯事のようです。

予定では、10時からインタビューを開始し、1人30分の持ち時間で進めることになっていました。しかし、開始時間の10時になっても誰も来ません。10時30分になり、ようやくインタビューを受けるケニア人女性が顔を見せました。安心したのも束の間、今度はインタビュイーが3人同時に到着してしまいました。待たせるのは申し訳ないと思いましたが、まるで当然のことのようです。

最初の3人のインタビューを終えると、次の女性が来たのはその1時間後でした。このように予定通りにインタビューを行えなかったので、終了時間は1時間伸びてしまいました。

2. 当日まで詳細が確定していない

今回のクライアントである日系企業の希望で、10人のケニア人女性にインタビューをすることになっていました。しかし、当日病院に着くと、12人の対象者が来ると言われました。予定と違うと思いつつ、それを見越したようにインタビュー用紙は多めに用意していました。

インタビューを進めながらも参加の可否の連絡が次々と入り、実際に何人来るのかわからない状況。インタビュー実施後、参加者を数えると7人でした。

このようにアフリカでのインタビュー実施は、何が起こるか予測できない不確定な状況の中で進めていかなければなりません。データの収集に必要な最低限のインタビュー数を考え、上乗せの人数の招集をかけることをおすすめします。

3. 機材トラブルにより一時インタビューを中断することに

筆者はインタビューに使用する機材を前日から準備していました。しかし当日に、使用すると動かないというトラブルが発生。スタッフ総出で機材が正しく動作しない原因を考え、対応しようと試みました。機材メーカーに問い合わせたところ、エンジニアを会場に呼ぶことに。こちら側でタクシーを手配し、そのエンジニアに病院まで来てもらいました。専門家の迅速な対応により機材トラブルは解消し、無事にインタビューを続けることができました。

 

予定通りインタビューを完遂するために気を付けること

このように、アフリカではインタビューが始まる直前まで確定していないことが多く、現在進行形で物事が進んでいきます。そのため、臨機応変な対応や心構えが求められます。

そういった日本とアフリカとの文化の違いを理解し、事前に準備をしておくことが欠かせません。

  • スケジュールには余裕を持ち、インタビュー前後に予定をいれないこと

  • インタビュー調査に必要な用紙などは数に余裕を持って準備すること

  • インタビュー参加者の人数に変動があることをあらかじめ念頭に置き調整すること

  • 急なトラブルに直面しても焦らず冷静に対処すること

  • 機器や備品を使う前に事前確認をする。もし、壊れたらどのように対処するか事前に想定しておく(プランBをあらかじめ想定)

  • 出たとこ勝負なので、無理だなと思ったら最低限のことだけは情報を取得しようとという心構え

AA Heath Dynamicsでは「メディサイト」という日本企業のアフリカ進出をサポートするために、現地の一次情報を取得するサービスを展開しています。今まで培ってたネットワークとノウハウ、現地の有能なスタッフを活用して、刻々と変わる不確定な事柄に対して、瞬時に対応できます。

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