目次)
ICT化社会とは
イララヘルス(Ilara Health)について
ICT化社会とは
ICT化(Information and Communication Technology化)とは
ICT化とは、情報とコミュニケーション技術を活用して、業務や社会活動を効率化し、情報の利活用を促進するプロセスを指し、コンピュータ技術、通信技術、インターネット、デジタルデバイスなどを活用して、情報の収集、処理、共有、および通信を向上させることを目的としています。
これにより、情報のアクセスや共有が簡単にしやすくなり、業務プロセスの効率化、意思決定の向上、コミュニケーションの円滑化などが実現できるようになります。
例えば、オフィスでのデジタル文書管理、クラウドコンピューティングを用いたデータストレージ、ウェブ会議ツールの活用、モバイルアプリケーションの開発などが挙げられます。
最近ではさまざまな分野で適用され、教育、医療、ビジネス、行政など多くの領域で変革をもたらしていることから、ICT化は、情報社会の進化に伴い、組織や個人が情報を効果的に管理し、共有できるようにするための重要な要素となっています。
ICT(Information and Communication Technology)のメリット
ICT化のメリットとは多岐にわたります。まず、情報アクセスの向上です。ICT化により、情報に瞬時にアクセスできるようになりますので、データベースやクラウドストレージを通じて必要な情報を容易に入手できます。
次に挙げられるのは、効率が向上することです。 デジタルツールやソフトウェアを活用することにより、業務プロセスが自動化されるため生産性が向上します。例えば、オフィスソフトウェアやプロジェクト管理ツールを使用して業務を効率化できます。
また、コミュニケーションの円滑化も重要なメリットです。今までは効率化が重視されていましたが、ICT化が進めばそれに伴い 電子メール、ビデオ会議、チャットツールなどを使用して、遠隔地にいるチームメンバーとのコミュニケーションが容易になり、仕事へのレスポンスも迅速になり、仕事の効率も上がるようになります。
それだけでなく、データ分析と意思決定のサポートもできるようになります。ビッグデータ分析やデータ可視化ツールを使用すれば、データからその場で考察まで同じ場所でできますので、戦略的な意思決定をその場でできるようになります。
そのほか、リソース削減も重要なメリットです。ICT化が進めば、 紙の使用を削減し、オンライン会議やホームオフィスの導入により、エネルギーや資源の節約も可能になります。
※参照URL:ICT化って?メリットデメリットや進めていく手順を解説 | ビジネスチャットツールならInCircle(インサークル)
※参照URL:【ICTとは】ITとの違いやICT化を推進する際のポイントを解説!
※参照URL:ICT化とは?メリット・デメリットや導入ポイントを解説
イララヘルス(Ilara Health)について
ここでは、イララヘルスについて、実際にはどのような会社であるのか、設立背景やサービスの強みなどをお伝えします。
イララヘルスとは
イララヘルスとはIlara Healthは2018年初頭に設立されたケニアの首都ナイロビにある会社であり、サハラ以南のアフリカにおける医療の質を向上させるため尽力しています。
この会社では、利用者の方たちに小規模な医療提供者のネットワークに救命と必要不可欠な診断ツールを提供しています。
また、イララヘルスのポリシーは、持続可能な開発目標3(SDG3)である「あらゆる年齢層のすべての人々の健康的な生活を確保し、幸福を促進する」に沿って、アフリカ全域でより良い健康を提供することであり、質の良い医療サービスを一般の市民でも利用しやすい価格で提供できるように努めている会社です。
※参照URL:Kenya: How is Ilara Health Improving Availability and Affordability of Diagnostic Devices?
※参照URL:About Us - Ilara Health
イララヘルス設立の背景
イララヘルスは「早期発見と予防医療が誰にでも利用できる世界」を目指し、会社を設立しています。
イララヘルスの創設者兼CEOのエミリアン・ポパ氏によると「ケニアには多くの才能があり、技術革新のチャンスもある。ケニア全土にコミュニティ・ナースがたくさんいるため、ケアへのアクセスは問題ない。しかし、彼らは限られた問題を抱えており、主に感染症に重点を置いているため、深刻な疾患が診断されないままになっている」という問題点を解決するためにできました。
そのため、イララヘルスでは、新たな診断や処方箋をデジタルツール1つで管理できるようにし、プライマリ・ケアをケニア全土に広めるために取り組んでいます。
イララヘルス事業概要や運営状況
イララヘルスのHPの情報によると、以下のような会社概要になっています。
- 設立年:2019年
- 総資金調達額:560万ドル
2019年にスタートしたイララヘルスは、診断機器とバタフライネットワーク社と連携したバタフライiQという独自のアプリを通じて、行きたくても病院へ行けない人たちや、医療サービスが乏しい地域の人たちに、安価で質の高いヘルスケアを提供するプライマリー・ヘルスケア・クリニック(PHC)のネットワークを構築しています。
また、これらの事業展開により、イララヘルスへの投資は世界中から増えつつあり、今後もその活躍が期待されています。
※参照URL:Ilara Health Company Profile: Valuation, Funding & Investors | PitchBook
イララヘルスの資金調達額
イララヘルスでは過去4回で総額560万ドルの資金を調達しています。資金調達の内訳は次のようになります。
- 1回目の資金調達はMusha Ventures、Perivoli Innovations、Creative Destruction Lab、LoftyInc Capital Managementから調達
- 2回目の資金調達はVillgro Kenya、Shaka Venturesから2019年8月7日に74万ドル
- 3回目の資金調達はBill Gates and Merinda Fundationから2020年10月20日に110万ドル
- 4回目の資金調達は2020年12月15日のTLcom Capital Partners、DOB Equity、Global Ventures、Chandaria Capitalから380万ドル
また、最近もUntapped Globalという米国資本の会社から2023年8月に資金提供を受けています。このように、イララヘルスは今や全世界中から注目されている企業に成長しています。
※参照URL:Ilara Health Company Profile: Valuation, Funding & Investors | PitchBook
※参照URL:Ilara Health company information, funding & investors | Dealroom.co
※参照URL:Ilara Health - Funding, Financials, Valuation & Investors
イララヘルスの特徴
イララヘルス(Ilara Health)は安全なデジタル・プラットフォーム(ウェブ/モバイル・アプリ)の普及に取り組み、バタフライネットワーク社が作っているバタフライiQなどのデバイスを活用し、サハラ以南のアフリカにおける医療状況を打破しようとしています。
バタフライネットワークのような企業との提携や分散型流通モデルを通じ、バタフライiQのような新しく製造された携帯型デジタルツールを使用することにより、低所得層の利用者の方々にも医療サービスが届くようにしたのがイララヘルスの大きな特徴の1つです。
また、アプリだけでなく、これらの基本的な救命ツールを利用できないサハラ以南のアフリカの都市周辺部の小規模医療提供者に、診断支援と必要不可欠な検査などのサービスも提供しています。
そのほか、柔軟な資金調達(pay as you go)を提供することにより、低資源環境の医療提供者がこの技術を手頃な価格で利用できるようにしています。
例えば、症状チェックのための「COVID-19準備パッケージ」は、重篤なCOVID-19合併症に最もかかりやすい患者を特定するのに役立ち、プライマリ・ケアレベルでの患者のトリアージにおいて現在では重要な役割を果たすようになっています。
※参照URL:https://creativedestructionlab.com/companies/ilara-health/
※参照URL:Ilara Health | Butterfly Network
まとめ
イララヘルスは、ケニアを拠点とするオンラインプライマリケアの会社です。この会社は、Maydawaと同じように独自のデジタルプラットフォームを活用して、医療従事者ネットワークを利用者に提供し、医療ケアへのアクセスの改善や医療サービスの普及に貢献しているICT化を上手く融合させた会社です
まず、イララヘルスでは、アプリを通じて医療ネットワークからナースや医師などの医療従事者ネットワークと繋がっています。そこから空きのある医療従事者に診断を依頼でき、必要に応じて検査なども行うことが可能です。
また、診断や検査だけでなく利用者の健康情報もアプリから見ることが可能になっており、ワクチンや定期検診などのスケジュールも立てやすくなっています。
そのほか、支払いの際には低所得者の利用者でも支払いがしやすいように、低価格に設定された医療サービスやさまざまなケアや方法を提案してくれます。
そのため、近年ではさまざまな企業やファンドから資金調達を獲得しており、医療ケアへのアクセスを向上させるためのイノベーションモデルとして注目されています。