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アフリカビジネス

アフリカ市場に進出するメリット&デメリット|進出している日本企業の動向

2050年には世界人口の約25%となる25億人の人口を有すると予想されているアフリカは、人口の増加に後押しされるように市場規模も拡大を続け、世界各国の企業がアフリカに進出しているのです。 今回は、世界中から注目されているアフリカ市場に進出するメリット・デメリットを日本企業の進出動向を見ながら解説していきます。

アフリカ市場に進出する  メリット&デメリット  進出している日本企業の動向

2050年には、世界人口の約25%となる25億人の人口を有すると予想されているアフリカは、人口の増加に後押しされるように市場規模も拡大を続けています。こういった市場の拡大が注目され、世界各国の企業がアフリカに進出しているのです。日本においても2021年10月時点で、アフリカ進出日系企業が927社に到達するなどアフリカ市場に関心を持つ企業が多いことがわかります。 今回は、そんな世界中から注目されているアフリカ市場に進出するメリット・デメリットを、日本企業の進出動向を見ながら解説していきます。

参考サイト:https://www.mofa.go.jp/mofaj/ecm/ec/page22_003410.html

参考サイト:https://www.jica.go.jp/publication/pamph/ku57pq00002iqnxw-att/africa_business.pdf

目次

  1. 拡大するアフリカ市場

  2. アフリカ市場に進出するメリット

  3. アフリカ市場に進出するデメリット

  4. 現地情報のリサーチ力がアフリカ進出成功の鍵

拡大するアフリカ市場

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 近年から将来的に人口の爆発的な増加が予想されているアフリカは、市場が持つ経済規模のポテンシャルから「21世紀最後のフロンティア」と呼ばれています。都市化の速さや労働人口の増加が、今後中国やインド以上になると目されている上、もともと石油などの天然資源が豊富なことも市場規模が拡大するといわれる一つの要因です。

参考サイト:https://www.jica.go.jp/publication/pamph/ku57pq00002iqnxw-att/africa_business.pdf

世界中がアフリカ市場の拡大を後押し

 今後の市場拡大が期待できるアフリカには、世界各国が協力して市場開発に向けた取り組みを行っています。国連は2015年の国連サミットにおいて、持続可能な開発を実現すべく、「SDGs」を目標として掲げました。SDGs内に定められた実現目標には、アフリカに関する事柄も多く含まれています。 また、日本でもこういったアフリカ市場の開発を後押しする活動が行われています。「TICAD」と呼ばれる、日本政府や世界銀行、アフリカ連合委員会などが共催するアフリカ開発会議では、アフリカ開発の現状・課題・開発に関しての話し合いを3年に一度行うことで、世界各国とアフリカ間の貿易や投資を促進させることを狙っているのです。

参考サイト:https://www.jica.go.jp/publication/pamph/ku57pq00002iqnxw-att/africa_business.pdf

すでに多くの日本企業が参入している

 日系企業においても、2021年10月時点でアフリカ進出企業は927社となっています。企業形態の内訳としては、 ・本邦企業の海外支店(184) ・本邦企業が100%出資した現地法人(法人:165、支店等:219) ・合弁企業(法人:129、支店等:83) ・日本人が海外に渡って興した企業(133) ・区分不明(14) となっています。

参考サイト:https://www.mofa.go.jp/mofaj/ecm/ec/page22_003410.html

アフリカ市場に進出するメリット

 アフリカ市場に進出するにあたってのメリットは、以下の三つが挙げられます。

  • 人口増加と豊富な天然資源
  • 経済規模の大きさ
  • 広く普及したITテクノロジー 

 それぞれ見ていきましょう。

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人口増加と豊富な天然資源

 アフリカの人口は2019年時点の約12億5,600万人から、2050年には倍増の約25億人に到達すると国連は予想しています。つまり約30年後には、世界人口の約4分の1がアフリカの人々になると予想されているのです。生産年齢人口も日本の中央年齢が48.4歳となっているのに対し、アフリカ全体の中央年齢は18.6歳と、消費意欲や労働人口などの生産年齢人口も多いことがわかります。 また、アフリカは天然資源が豊富なことでも知られています。プラチナや鋼といった鉱物資源に加え、原油や天然ガスなど多種多様な天然資源が存在しており、輸出だけでなく産業を行う上での立地面においても好条件です。

参考サイト:https://www.jica.go.jp/publication/pamph/ku57pq00002iqnxw-att/africa_business.pdf

参考サイト:https://boueki.standage.co.jp/merit-demerit-of-africa/

参考サイト:https://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2016/pdf/2016_02-04-01.pdf

経済規模の大きさ

 人口の増加に伴い、経済規模が拡大すると推測されていることもアフリカ市場が注目されている一つの要因です。アフリカ内の貿易活性化を目指すAfCFTによると、2019年時点でAU全加盟国がAfCFTに加入した場合、アフリカ域における総生産は約2.5兆ドルになるとされています。2.5兆円のうち、アフリカ域内の貿易は2008年の10.3%に比べて、2016年には19.6%と急増しており、アフリカ全土で貿易が活発化していることがわかります。今後アフリカ大陸内での物流インフラが拡充されれば、さらなる市場規模の拡大・成長が見込めます。

参考サイト:https://www.jica.go.jp/publication/pamph/ku57pq00002iqnxw-att/africa_business.pdf

広く普及したITテクノロジー

 近年、急速にITテクノロジーが普及していることもアフリカの強みです。総務省によると、アフリカ全体での携帯電話加入者数は、2003年時の5,200万人から2014年時には8億9,100万人と11年間で約17倍にまで増加しています。アフリカ全体の携帯電話における人口普及においても、2003年時が8.6%なのに対して2014年時には84.7%と、こちらも約10倍の数値を記録しており、IT技術が急速にアフリカ全土に広まったことがわかります。 また、携帯電話が爆発的に普及したことのメリットは、アフリカにおける情報通信環境が改善されただけではありません。情報通信が発展したことにより、モバイルサービスに関するさまざまな新規事業が生まれています。従来では銀行口座を持つことが少なかったアフリカの事情を踏まえたモバイル送金口座サービスの展開やモバイルローン、SMSを活用した通信教育サービスなど、携帯電話の普及に伴い新規ビジネスサービスも多様化しています。

参考サイト:https://www.digima-japan.com/knowhow/africa/15160.php

アフリカ市場に進出するデメリット

 アフリカ市場に進出するにあたるデメリットは、以下の三つが挙げられます。

  • 政情への不安
  • インフラの整備が不十分
  • 現地との連携が困難

 それぞれ見ていきましょう。

政情への不安

 政情への不安はアフリカでビジネスを展開するのであれば、常に考えておかなければならないリスクといえます。ACLEDの調査によると、2021年のサブサハラアフリカ内で発生した紛争や暴力での死者は100人以上です。一度クーデターが起これば、ビジネスを中断しなければならないため経営者にとってはかなりの痛手となります。

参考サイト:https://acleddata-com.translate.goog/dashboard/?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=op#/dashboard

インフラの整備が不十分

 アフリカ市場が今後成長していくにあたって、物流インフラの整備・拡充は必要不可欠です。アフリカの物流インフラを見ると、空港や鉄道などが未整備な地域が多くアフリカ大陸の面積をカバーできるほど拡充されていません。また、港が自国内に存在していない国も16カ国ほど存在しています。そのため、先述した天然資源を輸出する場合も近隣の国々から港を借りなければなりません。 物流に関するビジネスを展開する場合、事前に現地の陸路・空路・海路それぞれのインフラ整備状況を確認しておきましょう。

参考サイト:https://acleddata-com.translate.goog/dashboard/?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=op#/dashboard

現地との連携が困難

 現地の取引先企業や労働者との連携についても、場合によっては困難になりえます。取引先の企業であれば、条件面での折り合いやコンプライアンスなどの意識に差が生じる場合があります。アフリカでは法制度が十分に整備されていないケースも多くあり、企業間で意志の疎通を図ろうにも、現地の法で判断できず問題解決まで長引いてしまうからです。 また、生産現場などの労働者だと、賃料や労働に対する姿勢などの違いから職場内での人間関係の悪化、従業員同士のトラブルにも発展する可能性も考慮しなくてはなりません。

参考サイト:https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2018/0701/8fd2e0237aa912f7.html

現地情報のリサーチ力がアフリカ進出成功の鍵

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 今回は、日本企業がアフリカ市場に進出するメリット・デメリットについてご紹介しました。将来的な成長を考えると、今からでもアフリカ市場に進出したい企業様は多いはずです。しかしながら、先述したようなアフリカ現地ならではのリアルな情報は、地理的・心理的に遠い国である日本では仕入れにくく苦戦するケースが多いです。アフリカ進出を画策していても、自社のみでビジネスシーンのリサーチや市場調査を行うのは、時間的にもリソース的にも難しく、結局後回しや準備不足になってしまいます。

 回避策として「専門家にアフリカ進出のサポートを依頼する」というのも、一つの選択肢です。画策している事業の可能性から市場調査、現地の法整備など、アフリカ進出するにあたっては多くの専門的知識が必要になります。「何から始めたらいいかわからない」「現地の情報が知りたい」といった方は、ぜひ一度アフリカ進出の専門家に相談してみることをおすすめします。

 AA Health Dynamics株式会社では、アフリカやアジアの国々に向けた伴走型新規事業開発コンサルティングやヘルスケア・ビジネスを展開しております。「新興国への事業進出は興味あるけど、マーケット知識に不安がある」「自社のサービスをグローバルなものにしたい」という方は、ぜひお気軽にお問合せください。

西能克

西能克

Webメディアや企業サイトの記事を制作するフリーランスのライター。 不動産会社での営業経験を活かし、ビジネス系の事例や製品サービスの紹介、企業サイトのコンテンツやインタビュー記事などの執筆を行っている。 徹底した下調べでSEO対策とともに対象の魅力を引き出すコンテンツを制作する。 趣味はプロレス観戦。起床後に過去の試合をモバイル視聴することがモーニングルーティーンになっている

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