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アフリカビジネス

アフリカで蔓延する感染症!その理由や現状から日本企業はどのようなことができるか?

アフリカ大陸は地球上で2番目に大きな大陸であり、世界の陸地面積の約1/5を占めている大陸です。現在では広大過ぎるため多くの問題が生じ、その影響のため感染症が根絶することが難しい地域としても知られています。ここでは、アフリカにおけるこれらの感染症の現状について、その原因や対策についてお伝えします。

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アフリカ大陸は地球上で2番目に大きな大陸であり、世界の陸地面積の約1/5を占めている大陸です。現在では広大過ぎるため多くの問題が生じ、その影響のため感染症が根絶することが難しい地域としても知られています。ここでは、アフリカにおけるこれらの感染症の現状について、その原因や対策についてお伝えします。

目次

  1. アフリカでの感染症の現状
  2. アフリカの感染症の原因
  3. 日本企業ができること

アフリカでの感染症の現状

アフリカは国や地域、標高差によって気候が大きく異なり、感染症の発生源である動物や昆虫との接触が多くなるなどさまざまな要因が重なり合い、現在も感染症が流行しています。ここでは、特に流行している感染症についてお伝えしていきます。


HIV/エイズ

エイズは、アフリカ大陸で最も広く感染している感染症の1つです。世界保健機関(WHO)の報告によれば、2021年には約2,560万人の感染者がおり、特に感染者の多い国としては、720万人の南アフリカ、320万人のナイジェリア、160万人のケニアといった国が挙げられます。


エイズの感染の仕方は、性的接触や血液の接触が一般的です。特にアフリカにおいては、性的接触による感染が最も一般的であり、若い女性の感染率が高い傾向にあります。また、母親から子どもに感染することもあり、未だに多くの赤ちゃんがエイズに感染しています。



※参照URL:https://www.afro.who.int/health-topics/hivaid※

※参照URL:https://globalnewsview.org/archives/19463※



マラリア

マラリアは、蚊によって媒介される感染症であり、アフリカ大陸で最も広く流行している病気の1つです。症状には発熱、頭痛、関節痛などがあり、重症化すると死に至ることがあります。予防や治療法はありますが、感染の拡大を抑えるためには予防が重要です。


アフリカ大陸では、マラリアが最も広く蔓延している感染症の1つです。マラリアは、2018年には世界の患者数の93%、死亡者の94%がアフリカ地域に集中しています。特に、5歳以下の子どもや妊婦が感染すると重症化しやすく、死亡率も高いため、依然として深刻な問題となっています。


※参照URL:https://www.cao.go.jp/noguchisho/award/maraliafact.html※

※参照URL:https://www.ide.go.jp/Japanese/Library/Column/2020/0923.html※

※参照URL:https://www.sumitomo-chem.co.jp/sustainability/social_contributions/olysetnet/malaria/※



結核

結核は、細菌によって引き起こされる感染症であり、アフリカ大陸では重要な健康問題となっています。症状には咳、痰、発熱などがあり、治療法はありますが、結核菌の耐性が問題となっています。


日本ではほとんど話題にされていないほど症例数が少ない結核が、アフリカでは毎年問題に取り上げられ、多くの方が亡くなる感染症の1つとして認識されています。


また、空気感染であるため家族中が罹患する可能性も高く、貧困層では「絶望的な感染症」として現在でも苦しめられています。


※参照URL:https://www.afro.who.int/health-topics/tuberculosis-tb※


コレラ

コレラは、腸管に生息する細菌によって引き起こされる感染症であり、飲料水や食品から感染します。2022年にコレラの発生が報告された国のうち、多くはサイクロン(モザンビーク、マラウイ)、洪水(ナイジェリア)、干ばつ(アフリカの国々)などの自然災害に見舞われていることから、アフリカ大陸では、衛生状態の悪い地域や、災害や紛争が起こっている地域で流行することがあります。


治療法はありますが、感染拡大を抑えるためには、水質改善や衛生状態の改善が必要です。また、何度でも罹患する感染症のため衛生環境を改善しない限りはその地域の方たちの生死を決定付ける感染症です。


そのほか、特効薬はありませんので体力のない年配の方や子どもが犠牲になる場合が多い感染症です。


※参照URL:https://www.forth.go.jp/topics/20221221_00003.html※


アフリカの感染症の原因

getty-images-BHGgTgQ4wW8-unsplash

アフリカ大陸では、多くの感染症が存在しており、これらの病気の原因は、細菌、ウイルス、寄生虫、真菌、またはその他の微生物によって引き起こされることがあります。ここでは、その主な原因を詳しく解説していきます。


貧困と栄養失調

アフリカ大陸の多くの地域では、貧困と栄養不良が広く存在しています。貧しい環境に生きる人々は、不衛生な環境や栄養不良によって免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなります。


例えば、HIV/AIDSを含む感染症は免疫力の弱い人が感染しやすくなります。そのため、貧困が原因で栄養不足となり、免疫力が落ちHIVに感染しやすいということがアフリカでHIVが広がった要因だと示唆する研究もあります。


また、貧困により治療薬の普及における格差が大きくなり、感染症がさらに広まってしまったという面もあります。例えば、HIV感染が急増した1990年代には治療薬が開発されましたが、開発した製薬会社が極めて高額な値を付けたため、一般の方たちが治療できませんでした。

※参照URL:https://globalnewsview.org/archives/19463

インフラ設備の遅れ

アフリカは海に面していない国が多いため、国境を越えた交通インフラの整備が成されていないことです。 物資の輸送がままならず、多大なコストがかかることが、感染症治療の大きな妨げにもなっています。


また、アフリカ大陸の多くの地域では、飲料水の汚染や不足が問題となっています。不適切な水質管理は、伝染病の拡散を促進することがあります。飲み水レベルの水質の確保は衛生面にも影響し、それが伝染病を流行らす一因になっています。


例えば、アフリカ大陸には、野生動物が多く生息しています。そのため、野生動物との接触によって感染症が拡散することがあります。例えば、エボラ出血熱は、コウモリやサルから人間に感染することが知られています。


日本のように水質が一定であり、手洗い・うがいの習慣が常識として備わっていれば野生動物との接触も怖くありませんが、現在のアフリカでは感染症の原因として大きな割合を占めています。


※参照URL:https://mirasus.jp/sdgs/industry-inovation/2688#:~:text=%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%81%AE%E4%B8%80,%E5%A4%A7%E3%81%8D%E3%81%AA%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E3%81%A8%E3%82%82%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

※参照URL:https://ourworld.unu.edu/jp/worrying-insights-from-uns-first-ever-assessment-of-water-security-in-africa

※参照URL:https://gooddo.jp/magazine/water-and-sanitation/africa_sanitation/2024/


医療サービスの不足

アフリカ大陸の多くの地域では、適切な医療サービスが不足しています。医療従事者が不足し、医療施設の設備が不十分なため、感染症の早期発見や治療が遅れることがあります。


例えば、アフリカにおけるエイズの原因の一つは、医療システムの未発展にあります。エイズ治療に必要な抗レトロウイルス薬は、高価であり、アフリカの多くの国々では入手が困難であることが多いため、患者の治療が遅れることがあります。


また、エイズの予防にはコンドームの使用や血液製剤の安全性の確保が重要ですが、これらの対策が普及していないことも問題の一つです。


社会的な問題

アフリカ大陸では、民族紛争が頻繁に発生しています。民族紛争は、様々な要因によって引き起こされることがあります。


主な要因としては資源の獲得や分配をめぐっての紛争、種族間の結びつきが強いため政治的な不満や権力闘争が原因による民族紛争、宗教的な問題、または歴史的な遺産や因縁によって、民族紛争が発生することがあります。


民族紛争は、人々の生命や安全を脅かすだけでなく、社会・経済的な損失をもたらします。これらの問題は、適切な衛生管理を困難にし、感染症の拡大を助長することがあります。


※参照URL:https://www.worldvision.jp/children/poverty_15.html


日本企業ができること

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UnsplashLouie Martinezが撮影した写真

アフリカ大陸の経済的・社会的な発展には、様々なメリットがあります。日本企業はマーケットシェアが低いために質の良い製品や医薬品を作り出しても売り上げが伸びない問題に直面しています。ここでは、日本企業がアフリカに対してできることを例を交えながらご紹介します。


日本の技術の応用

アフリカ大陸の経済が成長すれば、国民の所得水準が向上し、貧困率の低下や雇用機会の増加など、様々な社会的なメリットが期待されます。それに伴い、日本企業もアフリカに進出できる機会が増え、シェアも格段に飛躍していきます。


現に、住友化学ではマラリア対策として「防虫剤処理蚊帳「オリセット®ネット」と呼ばれる蚊帳を開発しました。蚊帳の糸に練りこんだ防虫剤が、徐々に染み出し(「コントロール・リリース」)、防虫効果が3年間持続する蚊帳(かや)は、洗濯をしても強く耐久性があることでも知られています。


2001年には世界保健機関(WHO)から世界で初めて長期残効型蚊帳としての効果が認められ、約100カ国の国々に供給されています。


※参照URL:https://www.sumitomo-chem.co.jp/sustainability/social_contributions/olysetnet/initiative/


医薬品の提供や協力

アフリカでは都市部を離れると広大な土地のため、感染症にかかっても医療機関がある場所に行くまでが大変な方たちが多いです。そこで考えられたのが昔から日本に伝わる「置き薬」の習慣です。


日本には昔から「富山の薬売り」など各村を周り薬を売る習慣がありました。そこからヒントを得た「置き薬」の概念を、都市部から離れたアフリカの二ジュールで実践している日本人薬剤師の方がいます。


薬の料金回収には、携帯電話を使った送金システム「M-PESA」を利用し、日本の医薬品も置き薬にできるよう検討してるそうです。


※参照URL:https://www.kantei.go.jp/jp/headline/contributing_worldwide/machii.html



インフラ整備への協力

アフリカ大陸には、豊かな自然環境が広がっています。適切な環境保全によって、自然環境を守り、その価値を活かすことができます。


ウォーターエイドジャパン(※)では、アフリカタンザニアでの民間セクターの関与、貧困層を対象としたプロジェクトモデルに関する知識不足といった、水・衛生問題の主要課題に取り組み、タンザニアの水質や水のコスト削減に成功しました。


この水道設備の成功により、バケツ1杯あたり150-300タンザニアシリング(約7~15円)だった水の価格が引き下げられ、現在では1バケツあたり50タンザニアシリング(約3円)で水を購入できるようになりました。


これらの水不足の改善により、人々の衛生面にも良い影響を与え、感染症の減少にも効果がでています。


https://www.wateraid.org/jp/blogs/the-long-and-winding-road-bringing-water-to-kibondemaji



教育・保健の向上


アフリカ大陸では、教育や保健において課題が多く存在しています。適切な投資によって、教育・保健の向上が図られれば、人材育成や健康増進につながり、社会的なメリットが期待できます。


例えば、AAヘルスダイナミック社では、2020年から2022年の間は医療ウェビナーを中心に、現地の医師とともに医療教育の改善に力を入れて取り組んできました。


オンラインを中心としたメディカルウェビナーと、オンラインとオフラインのハイブリットで提供される医療トレーニングサービスの提供を行いながら、COVID-19やエボラ出血熱など感染症も含めたさまざまな医療教育のサポートを続けています。


※参照URL:https://www.aa-healthdynamics.com/ja/blog/article_7



その他の感染症

アフリカには、先に述べた3つの感染症以外にもアフリカの方たちを恐怖に陥れている感染症がたくさんあります。ここでは、その中でも特に流行の兆しがあるものを説明していきます。


エボラ出血熱

エボラ出血熱は、人や動物を介して感染が広がり、感染者の血液や体液、あるいは感染した動物との接触によって感染します。エボラ出血熱は、最初に1976年に中央アフリカのスーダンとコンゴで発見され、その後もアフリカ大陸で発生が報告されています。


最近の大流行は、2013年から2016年にかけて、西アフリカのギニア、リベリア、シエラレオネで発生したものでした。この大流行では、約1万1,000人が感染し、約4,000人が死亡しました。


エボラ出血熱の症状には、発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐、下痢、出血などがあります。これらの症状は、他の感染症と似ているため、診断が困難であることがあります。エボラ出血熱の治療法は確立されていませんが、早期発見、早期治療が重要とされています。


感染拡大を防ぐためには、感染者と接触した人々の監視、検査、隔離が必要です。


※参照URL:https://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name48.html


マールブルグ病

致死率が非常に高いことで知られているこの感染症は、ウガンダやコンゴ民主共和国を中心に、アフリカ大陸でパンデミックを引き起こすのではないかと心配されている感染症です。


マールブルグ病は、蚊や果たし猿、コウモリなどの野生動物を介して人間に感染することが知られています。感染した人は、発熱や筋肉痛、頭痛などの症状が現れ、重症化すると内出血や多臓器不全を引き起こし、死に至ることがあります。感染から発症までの期間は、2日から21日程度とされています。


マールブルグ病は、発生が突然であるため、診断や治療が遅れがちであり、また、現在のところ特効薬やワクチンが存在しないため、非常に危険な病気となっています。実際に、発生したマールブルグ病の致死率は、最大で88%に達しています。


アフリカにおいては、マールブルグ病の発生を防止するために、野生動物の密猟や食用を禁止するなどの法的な取り組みが行われています。WHOや国際連合児童基金などの国際機関が、感染症対策や医療機関の整備を支援するなどの活動が行われていますが、マールブルグ病はまだ完全に根絶することができておらず、今後も対策が必要とされています。


※参照URL:https://www.forth.go.jp/content/000069096.pdf

※参照URL:https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo_2023C007.html


その他の感染症

代表的な感染症の他に、腸チフス、黄熱病、レプトスピラ症、リフトバレー熱、睡腸眠病、クラミジア、淋病、梅毒、A型肝炎のウィルス、アメーバ赤痢、ジアルジア症(ランブル鞭毛虫症)などの寄生虫など、アフリカ大陸には多くの感染症が存在しています。


今後はこれら以外にも新たな感染症が発見される可能性は十分あり得ます。そのため、私たちは常にそれらの感染症と向き合い、効率的な対策をしていく必要があります。

※参照URL:https://www.forth.go.jp/destinations/country/e_africa.html


まとめ

アフリカ大陸の広さに比例するように毎年新しい感染症が蔓延しています。アフリカは母数が大きいため、感染症の種類や広がりも他の国に比べると規模が大きくなってしまいます。


確かにアフリカは1つの国ではなく、各国が集まった大陸ですが、HIV・エイズ、マラリア、そしてコレラは世界のどの国よりも多く、割合で見ればそのほとんどがアフリカ大陸の国々で占められています。


また、その原因はアフリカ国内の情勢や貧困などさまざまな要因があります。特に貧困に関しては感染症と深く結びつき、貧困の劣悪な衛生環境から感染し、貧困のため治療もできずに亡くなっていくなど、負のループに陥っています。


上記の理由から、現在ではさまざまな国が資金協力や技術提供をしており、日本もアフリカの国々に援助の手を差し伸べています。日本がアフリカに技術提供を行うことで、アフリカの経済発展に貢献するだけでなく、日本企業のグローバルなビジネス拡大につながるメリットが期待されます。


お互いに学びあい、共同で課題解決に取り組むことで、双方にとって良い関係性を構築すれば、アフリカ市場はまだ発展途上であり、色々な分野の産業で新しい需要が生まれてくるでしょう。

AA Health Dynamics株式会社は現地での医療教育サービスを展開し、マーケティングサポートを展開しております。下記から、お問合せいただけます。

増田さなえ

増田さなえ

米国ピッツバーグ州立大学卒業後、セントマシュー医科大学とウィンザー医科大学に進み医学博士取得、救急医師として、米国やカリブ海の医療に従事する。2014年に出産のため休職し、ウェブライターを始める。2014年からカリブ海の救急医として2019年まで働く。2020年からは米国に戻りウェブライター専門で活動中。

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